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問22 練習時間は短い方がいい(技術練習)(対象:高校生以上)

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 普段の練習時間は短い方がいい。
 
理由は簡単です。「真剣に練習していたら長時間できないから」です。高校生なら放課後の練習が始まるのは15-16時の間であると思います。それから2時間も練習すれば十分です。後は早く帰って家のお手伝いや、勉強、自分のしたいことをすればよい。16時から練習を初めて、23時まで練習は出来ない。もし出来ているとすれば、何処かで全く気を抜いているか、無駄な努力をしているのであろう。
 
練習は時間で決めるのではない。練習は量より質である。皆さんよく知っているが実行には移せない。
例えば高校野球なら2時間集中して自らの全てを出し切る。そんな集中した2時間を作り上げればいい。バレーボールなら試合時間は1時間だ。サッカーなら45分が2本。それ以上集中はできないものだ。陸上競技の800メートル走なら2分間で自分の全てを出し切るトレーニングを考えて欲しい。
 
貴方が選んでいるスポーツは、試合当日何分間で終了するか一度考えて頂きたい。テニスなら何分?ボートなら何分?登山なら何分?柔道なら何分でしょうか?
 
人が集中出来る時間は決まっている。その常識を越えられる人は非常に少なく非凡だ。私は日々脊椎手術に追われているが、どの手術も2時間以内に終わらせることを自らに義務付けている。手術の場合、球技のチームプレイなどと異なって力を抜ける時間が途中にあまりない。水も飲めないしトイレにも行けない。私の経験上、手術の集中力は2時間が限度であり、せいぜい延びても3時間までだ。4-6時間になると、一緒に手術をする第一助手に有能なパートナーがいる。途中のある時間は執刀をリードしてもらうのだ。これは飛行機の操縦士と副操縦士の関係にも似ている。もし6時間を超える大手術の場合は必ず2チームに分けるし、途中で一度手をおろし休憩するのだ。他人のことは知らないが、これが私の手術のリズムである。ダラダラは出来ないし、長い集中も出来ない。
 
練習に必要な最低限の時間というものは確かにあると思う。しかもそれは競技によって、個人によって違うはずだ。私の経験から言えば、例えば陸上男子800メートルなら、毎日2時間半の練習でよい。バレーボールなら最長3時間でよい。それで全国大会を十分に狙える。
 
どうしても時間にこだわりたい人なら次のような実験をしてもらいたい。野球部の5時間の練習中に一番しんどい練習の直後に心拍数を計る。恐らく180-200回/分を超えているであろう(通常の心拍数が60-70回/分の選手で190回/分の瞬間を作り出している人がいればかなり練習の質が高い)。次に2番目や3番目にしんどかった練習メニュウの直後にも同様に計ってみる。きっと脈拍数は一番しんどい練習と異なり、随分減っているだろう。
次の日、その同じメニュー(2番目や3番目のメニュウ)を行う時、昨日よりも心拍数が上がるように集中してやって頂きたい。きっとその日の練習は5時間も出来ないはずだ。
しんどさも個人によって異なる。しかしどの種目においても心拍数を計るのは1つの目安になるから是非試みてほしい。ちなみに私の中学時代の練習日誌(陸上競技)には心拍数まで細かく記載している。
練習時間が5時間と初めからわかっていれば、それなりの体力配分をする。でないと最後までたどり着かないし、チームメートにも迷惑がかかる。それが毎日毎日続いていると、知らない間に5時間で野球を行う体内時計が出来てしまう。練習のための肉体と精神が出来上がる。ところが本番は2時間で試合が終わる。バッターボックスに立てるのも4回。投手の球を打てるのもせいぜい20球までである。全力を出し切れない。
いくら「本番を想定した練習をしよう」と意気込んだところでユニホームを着ている時間が本番とすでに随分違うではないか。「今日は5球だけ」なんてバッターボックスで追い込む日があってもいい。
 
大切なことは自分の全能力を試合で出し切る事である。自分の能力以上のものはまずはでない。そんなことが出来るなら皆、浅田真央選手や石川遼選手みたいな大スターになっている。
毎日の練習の中で、ほんの1メニュウだけでも、今の自分の全能力を出し切る瞬間をつくって欲しい。それが日々の練習で出来れば、自ずと練習時間は短くなるものだ。

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