問19 羽ばたき練習(関節トレーニング1)(対象:高校生以上)
19.羽ばたき練習(関節トレーニング1)(対象:高校生以上)
肩の運動には幾つの骨が関係していると思いますか?
肩の動きは、単に肩関節の動きではなく、鎖骨・肩甲骨・上腕骨のcomplex(複合体)によってなされています。一般に言われる「肩関節」は上腕骨と肩甲骨の間の関節です。肩甲骨の端っこにある小さな臼の中に、上腕骨骨頭が収まっています。一方、そこの近くに鎖骨と肩甲骨を連結する「肩鎖関節」があるのです。ですから肩を動かす時にはこの3つの骨が全て動きながら関与している訳です。
また上肢を側方から挙上するときは45度までは「肩関節」のみで上がりますが、それ以上は肩甲骨の動き(肩甲胸郭関節)が必要となります。
「強くて柔らかい肩になりたい!」と思っている人は多数いることでしょう。しかし「肩関節」のみに意識のある選手と、「肩関節」「肩鎖関節」「肩甲胸郭関節」の3つに意識のある選手では、トレーニングの成果も全く異なります。
今回は肩の複合運動の1つを紹介します。かなりハードはトレーニングです。

写真のように、膝を少し曲げて、お尻を後方に突き出します。体幹は床と水平に維持してください。特に腰がきちんと伸びている状態に保持しましょう。この姿勢だけでも十分きついかも知れません。続いて小さな鉄アレーを持って両上肢を真横に開いて保持します。手先が床に下垂しないように心掛けましょう。その位置から鳥が羽ばたくように、両上肢を天井方向に同時に上げます。10回行いましょう。
注意点は元の位置に下げる時に水平にキープしてそれ以上は下には下げません。左右の肩甲骨から動かすように意識してください。左右の肩甲骨を真ん中でひっつける意識で行いましょう。
これが出来た人は更に負荷を加えます。始めに保持している両上肢を少し前方に移動させた位置から始めます。前屈みで万歳をしている姿勢になります。この姿勢から先ほどと同様に10回行います。この運動は非常にハードです。なぜなら非常に単純すぎますし、日常生活でこの動作をすることはまずないからです。非日常のトレーニングを行うことは大変意味があります。
以上二つの運動を3セットほど行って下さい。鉄アレーはなるべく軽くして下さい。重りを持ち上げるのが目的でなく、肩甲骨を滑走させるのが目的です。重りが大きすぎると綺麗な運動が出来ずに、トレーニングの効果がありません。
肩のスローを要するスポーツ(野球・バレー・テニス・投てき種目etc)のみならず、あらゆる競技で有用でしょう。