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問6 近い目標。中間目標。最終目標。(意識)

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近い目標。中間目標。最終目標。(意識)
 
 
整形外科医になって16年目になる。人間の身体を良く「診る」ことができるようになるためには年期が必要だとつくづく思う。少なくとも10年程度はかかるのではなかろうか。
 
 ところで、私が医師になろうと思ったのは中学3年生の時である。
その当時、私は陸上部に所属しており、参加した全国大会で2位になった。種目は男子800メートル競走で、タイムは1’56’4であった。最後の試合が終わり、私は将来本気でスポーツの道に進むか否かを考えた。そして、もしスポーツを選ぶなら「早稲田大学に入って、箱根駅伝に出たい。」と思った。しかし、腰椎分離症による腰痛に2年間悩んでいた私は、高校生になってからも良い成績が収められるという自信がなく、なによりその辛い腰痛と決別したかった。kamogawa0-55.jpg
 そして私はスポーツの道を諦め、医学の道に進む事を決めた。医師になりたかったからである。そのためにまず「今治西高(地元の地方進学校)に入学する。」という近い目標を設定できた。続いてその後、医学部に入り医師国家試験に合格するという中間目標を設定した。そして、現在の目標は、地元今治市で整形外科医として働く事である。できればスポーツにたずさわる患者も診たいと思っている。
 
 目標の設定は重要だと思う。できれば、わかりやすいものが良い。まずは達成しやすい「近い目標」、更なるステップとして努力が要される「中間目標」、そして「最終目標」というように、3つ程度設定してはどうだろうか。
 
 例えば高校球児だと、「甲子園出場を目標にするか、それとも甲子園での優勝を目標にするか」と考えるであろう。
しかし、これを「最終目標」に、県大会地方大会での好成績を「中間目標」に、野球部入部を「近い目標」に、と設定するのは安易ではなかろうか。
「甲子園出場」「甲子園での優勝」を最終的な目標としてしまわず、それを達成した後の道まで考えてほしい。「甲子園出場」「甲子園での優勝」を「目的」ではなく「手段」として考えてもらいたいのだ。
 
 競技種目は変わるが、松山市内の某高校自転車部の監督は選手に次の様に話すそうだ。「君たちは将来スポーツで大学に進むか、勉強で大学に進むか決めて下さい。スポーツで大学に行くなら、それ相当のインターハイの成績が要求されますよ。スポーツ推薦枠も限られています。」
 これは中間目標設定のヒントを示しているのではないだろうか。「全国優勝、全国制覇」を最終目標にするか中間目標にするかでは将来への影響が異なる事を示唆しているのだ。全国優勝という結果が自分の進路に影響を与える事を自覚している生徒は、将来を決める進学や就職までも視野に入れて競技に臨んでいる、と監督は言う。
 
甲子園は素晴らしい。日本中を感動させるその舞台に立つ事は、高校球児の共通の夢であり、憧れだろう。言うまでもなく、甲子園出場は並大抵の事ではない。到達までの努力も想像を絶するものだろう。しかし、そこはゴールにしてしまうのではなく、スタート地点ととらえてほしい、と私は思う。
 
 高校生の全国大会がゴールではありません。むしろそこがスタートです。自分のレベルに合わせて、「近い目標」、「中間目標」、「最終目標」を決めることから始めよう。それは途中で変わっても構わないし、Fixし続ける必要もない。
 
 将来の職業について考える時、「スポーツ」という選択肢も頭に浮かぶであろう。しかし、漠然と「スポーツに携わりたい」と考えるのではなく、職業スポーツか企業スポーツか、またレクレーションスポーツを目指すのか、と、一度きちんと考えてみてほしい。そうすれば自ずと最終目標も決まってくるだろう。大切なのは、自分が続けているスポーツがどう影響するか、ではなく、スポーツをどう影響させるのか、と考えて目標を設定する事である。

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