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問5 伝統校はなぜ強い?(環境・日常生活)

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伝統校はなぜ強い?(環境・日常生活)
 
 そのチームのユニフォームを見ただけで萎縮してしまう。オロオロしてしまう・・。そんな事が高校スポーツではよくあります。全国大会の常連校や、全国制覇の経験のあるチームは、なにかしら独特の雰囲気を持っています。「風格」というものでしょうか。一般的に伝統校と呼ばれる高校にはそのような風格があります。
 
 伝統校は何故強いのでしょうか?それには色々な要因があると思いますが、私は「伝統校には良い主将(キャプテン)がいる」「伝統校には良い主将(キャプテン)を作りだす土壌やシステムが整っている」と結論します。
 
 全国大会の常連校には優秀な指導者の存在が必ずあります。高校スポーツには指導者の影響力が重要だと言われています。ところが、指導者が変わったとしてもその強さが変わらない、という常連高校もあります。それはどうしてでしょう?
 中学・高校スポーツでは色々な環境が結果に大きく左右します。指導者、選手、父兄、学校、設備、地域等々、全ての力が上手く働かなければ良い結果に繋がりません。
 
 伝統校の強さは主将にかかっています。強さの秘密は主将にあります。指導者が選手と共にできる時間は限られていますが、1年生が3年生の主将と一緒にいる時間はかなり長いものです。指導者が直接指導しなくても、上級生が下級生を指導します。体力練習や技術練習は当然ですが、コートやグランドの整備の仕方、ボールや道具の手入れの仕方など細かく指導できるのです。無論、挨拶は当然のことでしょう。このように練習以外の時間も共有しているのです。
 伝統校には人が「集って」きます。集めるのでなく、集まってきます。つまり、この時点で既に意識の高い選手が揃っているのです。その中で主将に選ばれる選手は、抜きん出て優秀だと言えるでしょう。
 物事を教わるときは、歳が近くの人から教わる方が分かりやすい事が良くあります。心・技・体の状態が似ている場合が多いからでしょう。このように歳が近くの後輩に次々教えていく(伝承)と上手に伝わっていきます。そしてその伝承が上手く機能している場合は、良いシステムと言えます。その中でも、上級生から習うのも下級生に教えるのも上手い選手が主将になるのです。伝承のKey personが主将といえるでしょう。
 様々な高校の練習現場を見ていると、指導者が不在でも高い緊張感と集中力で、練習を行えている高校があります。例え指導者がいなくても、主将が上手くチームをまとめているのです。全国大会の常連校に当てはまるシステムです。
 
 高校野球選抜大会を異なる高校で2回制覇した済美高校(2002年創部、2004年選抜大会優勝)の上甲正典監督は、前任の宇和島東高校(1988年選抜大会優勝)から赴任した時の苦労を私に話してくれました。伝統どころか野球部も野球のグランドもない所に赴任してきた監督は、トンボのかけ方から始まり、基礎から全てを1年生に教えないといけなかったとおっしゃっていました。しかし、監督が宇和島東高校で培われた伝統を生徒に上手く伝えたのでしょう。まだ創部8年目ですが、既に済美高校の伝統が出来上がりつつあるような気がします。
 
 では、もし君の学校が、伝統校でない場合にはどうしましょう。既に環境の点において伝統校よりも不利ではあります。でも、だからといって何も落ち込むことはありません。伝統校ほどはスムーズには行かないかもしれませんが、自分たちで、もっともっと考えて、もっともっと質の高い練習をすればいいのです。無名の学校でも(初出場でも)、大きな勝利を成し遂げた例は、枚挙に遑がありません。継承される効率的なシステムを、そして伝統を自分たちで作り上げてみませんか。

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