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問39.開脚坐位ができない!(啓蒙・小学生以上に)

 

39.開脚坐位ができない!(啓蒙・小学生以上に)
 
kamogawa0-105.jpg2010年8月3日。私は白石病院のリハスタッフ4人と医学部の学生1人を連れて、市内の公立高校へ講義に出かけた。対象は陸上部と野球部の合計70人であった。担当の先生方3人も同席頂いた。演題は「知って得する5つの柔軟性」。18時から約70分の講義を行った。
いつものように、講義の前に各人にアンケート用紙に記入して頂き、腰痛やストレッチに対する意識調査を行った。その中で興味深かった結果を2つ紹介する。
 
「Q.練習前のストレッチの目的は以下のどれですか?1.準備体操 2.怪我の予防 3.昨日よりも柔らかくなること」この問いに対しては大部分が2.怪我の予防 と答えた。より高い柔軟性を獲得するためにストレッチを行っているという意識が無いことがよくわかった。怪我の予防は当然であるが、ストレッチそのものがトレーニングであるという意識を持って頂きたい。
続いて「Q.大腰筋を知っていますか?」の問いに対しては5人/70人が知っていると答えた。「インナーマッスル」という言葉は流行っているが、その実体を知らないのは寂しいことである。
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講義を終えたあと、体育館に移動してストレッチの実技を行った。自作の「静的ストレッチ これだけは!」と「動的ストレッチ これだけは!」を配布して、1つずつ全ての項目を選手と行った。
当日、「夏はたけなわ」。うだるような暑さの中、約1時間半行った。選手は皆真剣だった。
一番印象に残ったのは「股関節」のかたさが目立つことだ。約1/4の生徒で美しい開脚坐位が不可能で、また開脚坐位からの前屈は燦々たる結果であった。
毎回行っている「柔軟性チェックシート15項目」は行う時間がなく、今回は省略した。
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今回の結果は私自身も考えるところが大きかった。平成21年末から細々と始めた課外講義企画であるが、今回が一番衝撃的だった。というのも、この高校は地方の進学校であり、また陸上部からは毎年インターハイ出場選手が出ているし、野球部も県下でもトップ4,5に入る実力校であるからだ。
この高校の結果は、現状の愛媛県の1つの基準になるのではないかと考えたのです。現状の愛媛県ではなく、ひょっとすると現状の日本の1つの基準であるかも知れません。昨年から小学生、中学生、高校生、大学生、市民スポーツと折りにつけ、様々な対象で同じ企画を行ってきました。運動学の基本を今一度考え直す時期かも知れません。
小学生から大學卒業まで、基本的な運動器の解剖や、バイオメカニクスを習う機会がほとんどありません。健常を知らないで、高いパフォーマンスや怪我の予防は無理です。九九を覚えずに、微分積分に挑戦しているようなものですよね。
 
垣根を越えて運動器(骨・関節・神経・靭帯・筋肉・血管)教育を行うべきだと思います。そして個人が「自分の身体は自分で知る・鍛える・守る・手入れする」という意識を持って頂きたいものです。

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