問25 No surrounding (教育1、対象:指導者の先生方に)
25No surrounding(教育1、対象:指導者の先生方に)
平成21年12月17日。松山近郊の某高校に「体幹と腰痛」の講義に行った。大学生に教えることが私の日常の仕事であるので、高校生が対象であるのは実に新鮮な体験であった。詳しく言うとこの講義は小学5年から、中学生、高校2年までの、学年も学校も混ぜ合わせた未体験の企画であった。生徒の共通点は皆、硬式野球部であることだった。
通常の学校教育では、保健体育や理科の授業で人体の生理や、簡単な解剖を習う。しかしこれらは殆どが、遺伝・消化器・循環器・呼吸器などである。骨・筋肉・
関節などの「運動器」を習うことはない。事実、講義当日に生徒全員に尋ねると、初めて運動器の話を聞くと言っていた。
関節などの「運動器」を習うことはない。事実、講義当日に生徒全員に尋ねると、初めて運動器の話を聞くと言っていた。 折角の機会と考え、私は、医学部で使っている教材を持ち込み、それを分かりやすく変換したスライド81枚を用いて講義を行った。小学生には少々難しかったかも知れないが約70分間、皆真剣に私の話を聞いてくれた。
自分の身体の正常解剖も知らないで、「あそこを・・・ここを・・・」とトレーニングするのは実にナンセンスである。自らの身体の解剖は知っておく方がよい。ましてや頻度の高いスポーツ障害の名前も知らなければ、予防すらできるはずもない。
講義の後、全員体育館に集まってmedical checkを行った。あいにくその日は凍てつき体育館は冷え込んでいた。私に同行してくれた約10人の医学部スタッフによって評価がおこなわれ、その後、動的・静的ストレッチの実技を行い終了した。

なんとも楽しかったのは小・中・高校生混合であったことである。マットの上で柔軟性のチェックをする際(12項目チェックした)に、検者である私の前に10人の小学生が興味津々の眼で並んだ。高校生を順次チェックする度に、「固い!」「冷蔵庫!」「凍った餅!」「電子レンジでチーン!」なんて小学生が高校生を判定し始めたことだ。会場は笑いの渦で終始和やかな雰囲気で行われた。言われる高校生はたまったものではないが、自らの身体が固いので仕方がない。一方、小学生は吸収が早く、どこの関節や筋肉が固いといけないのかすぐに理解していった。
日本には運動器教育がありません。またその他の教育ですら色々なところで、生徒は柵で囲まれます。私はこれをSurroundingと読んでいます。すぐに徒党を組んだり、小さなコミュニチィーを作ります。クラスメートやチームメートは1年間いつも同じです。今回のようにいろいろな垣根を取り払って、1つ目標が同じ生徒が集まる授業は意義深いものでしょう。江戸時代の寺子屋みたいなものです。1時間で伝えるこ
とは無論不可能でしたが、こちらも勉強になることが多かったです。
とは無論不可能でしたが、こちらも勉強になることが多かったです。 全てが終了した後、熱心な父兄の皆さんに多く質問ました。こちらが適切な答えに戸惑う場面も多くありましたが、父兄も運動器の知識を持つべきだと考えています。
いずれにしても楽しい2時間でした。このようなNo surroundingな課外授業はまた行ってみたいものです。